平成30年度 鎮信流初釜
松親会 駒形 壽子
 新年1月14日午前8時30分過ぎに東京支部の門人が横浜三溪園門前に集合し、開門と同時に園内にはいり、道具類を運び、設えの準備に入りました。各支部の方々も時間通りにお見えになり、濃茶席、薄茶席の待合へ各々分かれてお待ち頂きました。
 私は、此の度午後の薄茶席のお点前があるため、午前の席に入らせて頂きました。濃茶席の床飾りは、松浦篤信公筆「日の出に亀の図」のゆったりした幅広いお軸、そして、床一面に敷かれた山砂の上には、福寿草、南天チゴ笹、石菖、雲間草、苔、石などが配置され、池畔の風情をかもしだす景色に遠く夢の世界に入ったかの様になりました。。一幸庵の立派な花びら餅と共に、ご宗家様の重厚なお点前のお茶を頂戴致しました。
 お昼食の時間には、恒例の幸せを運ぶくじ引きがあり、一喜一憂の時が流れました。薄茶席は、庭園を望む三方ガラス張りの明るく暖かい雰囲気の立礼で、奥方様の細やかなお心遣いが感じられるお道具の数々で皆様にお茶を差し上げる事ができました。
 17年前から三溪園でお初釜が開催されており、以前には雪が降ったこともありましたが、この日は早朝より夕刻まで終日好天に恵まれとても幸せな時間を過ごさせていただきました。

  

東京支部松親会 永井幸子
 本年1月14日(日)横浜三渓園鶴翔閣に於いて鎮信流宗家主催の初釜が開催されました。鶴翔閣は原三渓が明治35年に竣工、横浜市指定有形文化財の建物です。
 前日迄、支部の方々は寒波と雪に見舞われ出発が危ぶまれていたご様子でした。当日横浜は好天に恵まれ暖かい日和にお客様をお迎えすることができました。
 濃茶席、薄茶席はご宗家様の妙味な設えに毎年楽しみと驚きで当日ワクワクいたします。平成三十年戌成年、席中の随所に戌の存在が有り、かわいらしく思いました。
 お茶席は、松親会が担当いたしました、各自気持ちも新たに得たものをこれからのお稽古に精進して参りたいと思います。
 点心席は宗家お手造りの青竹で鶴、亀の花入れに紅白梅が活けられ一層の華やかさでした。
 ご宗家様より年頭のお話を賜り改めて身にしむことでございました。和やかに会話もはずみお食事もおいしくいただきました。引き続いて、ご宗家様、奥方様のお心尽くし福引が行われました。当たった方、はずれた方も一様に、会場は歓喜の声で盛り上がり、1年の明るいスタートでした。
 三渓園を出た頃はすっかり日も落ち、ご宗家様、奥方様、鎮信流の弥栄をお祈りし帰路に着きました。