日本文化紹介ワークショップ「日本の武士」のお手伝いをして |
松親会 坂井俊彦 |
2016年2月9日東京新宿ヒルトンホテルにおいて、アクテリオン製薬のオーストラリア人従業員を対象に「日本の武士」ワークショップが開かれ、御宗家のお手伝いをさせていただきました。 このワークショップは同社の従業員がいろいろな日本文化を経験する一環としておこなわれたもので、御宗家が英語で日本文化の根底にある武士の考え方を松浦家の歴史や武家茶道の考え方と合わせて説明されました。 ワークショップの最初に、江戸時代の英国人が薩摩藩の行列を横切ったために殺され英国と薩摩藩との戦争につながった生麦事件を舞台にした寸劇がおこなわれました。 ワークショップ主催者(英国人で宗家の知人)扮する英国人が、御宗家と武士に扮した役者の前を挨拶もなく通り過ぎようとして切り捨てられます。もう一度、見ている人がよくわかるようにとスローモーションの後、観客のオーストラリア人に対して、なぜ英国人は切られたのかと質問が投げかけられ、その理由は行列に対し挨拶をしなかったこととの結論に至ります。行列は貴人の尊厳の印であり、武士にとって尊厳や誇りなどは命よりも重いものだったとの説明がありました。また、写真のように現在でも英国人の墓は横浜において守られ彼への敬意が払われているとの説明もありました。 |
続いて、御宗家から日本における武士の起り、武士における修行と茶道等についてのお話がありました。武力をもつ武士だからこそ武力をむやみに使わない、いわゆる「勝負はさやの内」をめざし、また、日常の精神の鍛練も怠らなかったこと等を「生死一如」の掛け軸とともに説明され、茶道もその文武両道の一部として行なわれたことを説明されました。 最後に簡単に私が数名のオーストラリア人にお茶を点て、差し上げました。 オーストラリアの人達は、あまり静寂が得意ではないと思っていましたが、意に反し彼らは御宗家の話を静かに聞き入っていて、日本文化における武士について何かを感じていたようでした。 日本文化における「武士」、「武家茶道」を外国人に理解してもらうことに、少しですが関わることができ貴重な体験でした。 |