「はじめての香道体験」に参加して |
平戸支部松華会 大原 律男 |
「壱の香」と響き渡る声で香炉が順に回り始めました。
11月26日(日)平戸市の松浦史料博物館での特別展示「香のたしなみ」のワークショップとして企画された「はじめての香道体験」に長崎支部、佐世保支部、平戸支部の会員5名の方々と共に参加させていただきました。
私にとって香道体験は文字通りはじめての体験でした。講師の安藤綾冠様から安藤家御家流香道の歴史や当日の流れの説明を受け、「源氏物語」を題材とした組香である「源氏香」を体験することができました。
香炉の持ち方や香の聞き方の手ほどきを受けている間に、香元の方による香炉の準備が粛々と整えられ、冒頭の掛け声の後香炉が順に回され香を聞き始めました。これを5回繰り返しましたが、私には繊細な香りの違いが判らず戸惑うばかりでした。源氏物語の各巻の内容を想像しながら香りを楽しむ境地にはほど遠いものでした。
すべての香が終了した後、5つの香りの異同を紙に記します。その書き方こそが「源氏香」の特徴であることの説明を受けましたが、私の結果は散々でした。
最後に、参加者の皆様が記された「源氏香之図」に、筆者の方が「源氏物語」の該当する巻名を夫々記された「源氏香之記」と云う記録紙の写しを、博物館のお計らいで頂戴することが出来ました。
博物館の特別展示を拝見させていただき、平戸松浦家でも香道を楽しまれていたことが拝察され、平戸の奥深い魅力を感じました。香道は、礼儀作法や立居振舞いは勿論、さらには古典や歴史の理解、書道、絵画などの素養も求められ、茶道とも相通ずるものを感じました。静寂の中で精神を集中して香りを聞くことの楽しさを教えて頂いた一日でございました。
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