観月茶会に参加して
福岡支部 中村 晴美
 過日、9月22日土曜日、仲秋の名月の日の前日、福岡支部の観月茶会が催されました。壱岐9名、武雄2名、福岡14名の総勢25名の参加でした。場所は、大濠の日本庭園にある茶会会館。ここは築山林泉廻遊式の庭園で、白壁の塀や、やや色づいた樹々、大池や築山、そしてサラサラと流れる曲水などが眺められます。なんとなく秋の気配が感じられるこの庭に、お月様が見えれば、これこそ「観月茶会」と思いながらお茶室に入りました。今年の観月茶会は福岡の原教室が担当で、私もお運びと水屋を担当いたしました。
 床には、月一文字の色紙が掛けられ、ススキ、栗、小菊が秋の野の風情を思わせるように生けてありました。三方には白玉のお団子がお行儀よく重ねてあり、お月見にふさわしい床飾りです。今回のお献茶は藤野千恵さん、泰松支部長がお茶をお床に供えられました。続いて、佐々木桃子さんのお点前で皆様にお菓子と濃茶を差し上げました。

 主菓子の銘は「名月」と「萩」。福岡の老舗 五島製です。どちらにするか決めかね二種とも用意し、お客様に選んでいただくことに致しました。
 茶会の後は、古楽器の演奏会です。古楽器は、かつて平戸がオランダやポルトガルと交易をしていた頃に西洋音楽が伝来されたときの楽器だと聞いています。リュートはいまのヴァイオリンのご先祖様、心に染み入るその音色にソプラノの美しい歌声が響き、心地よい演奏にしばし聞き入りました。もしかしたらその当時の平戸のお殿様もあのオランダ商館で鑑賞されたのではないかと想像いたしました。その後美味しいお弁当をいただきました。今回は原教室の吉田万里子さんが手配され皆様にも好評でした。
 諸先生のご指導のなか緊張と楽しさと忙しさ、そして支部の皆さんたちとの交流。とても充実した一日でした。私事ですが、この秋、初伝のお免状を申請していただきました。これからも精進して参ります。よろしくご指導をお願い申し上げます。