松 洽 会 総 会
2014(平成26)年4月19日・20日
平戸支部松華会 森 三佐子
 
総会
 本年度の松洽会総会の担当支部となり、昨年来より準備を進めてまいりました。
 江迎本陣にて観中公へ御献茶あそばされ、もと蔵でのお茶席という一連の行事に参加させていただき多くのことを経験し学ぶことができましたことを、平戸支部会員一同、深く感謝申し上げます。
 総会は、旗松亭南蛮広場で開催いたしました。
 御宗家様にお言葉を賜り、荻野貞子松洽会会長のご挨拶、永益幹子平戸支部長の歓迎の挨拶の後、松浦純二事務局長の進行により、総会が恙なく進められました。
 昨年は英国茶会を始めとして多くの行事がございました。
 本年も、様々な行事がございますが、少しでもお役に立つことができるよう日々の精進を重ねたいと存じます。
 引き続き、潜龍酒造代表取締役会長山下庄左衛門様に「平戸藩と江迎本陣〜観中公を中心に」という演題で、ご講演いただきました。
 江迎本陣の成り立ち、屋敷や庭園の構造、歴代の平戸藩主との密接なつながり、歴代伝えられたお道具や文物などをスライドを交えて分かりやすくご説明いただきました。
 毎月第三木曜日に、江迎本陣の下段の間にて台子七通りのお稽古をさせていただいておりますが、ご講演を拝聴し、お流儀ゆかりの場でお稽古をさせていただくことに改めて感謝と畏敬の念が湧いてまいりました。
 先々代様から当代様へと三代にわたる御宗家様とのご縁、特に、先代様への敬愛の思いがあふれる山下様のお話しぶりに、感銘を受けた方も多かったのではないかと存じます。
 
 
懇親会

 懇親会は、別館浪漫亭椿の間、桜の間で行われました。
 御宗家様、御来賓の皆様は「本陣」、奥方様は「慈眼桜」にご着席いただきました。
 
他は、観中公がお定めになりました平戸八奇勝(高巌・潜龍水・石橋・大悲観・眼鏡石・巌屋宮・福石山・潮之目)と平戸の春の植物「白木蓮」「糸辣韭」の円卓を準備いたしました。
 御宗家様ご挨拶、次期総会開催地永井幸子東京支部長乾杯の後、楽しい宴席となりました。
 司会は平戸支部吉野安磨さんでした。
 潜龍酒造お心尽くしの献上酒、平戸の食材を使ったお料理、アルマド(龍眼・和製スコッチエッグ)やもろぶた寿司などの郷土料理に、お話も弾んだようでございます。
 
 平戸ハイヤ節がにぎやかに練り歩き、各支部ごとの紹介の後、御来賓の皆様(山下庄左衛門様、黒田成彦平戸市長様、雄香寺御住職様、前松浦史料博物館長木田昌宏様、現館長岡山芳治様、城勇様)からご挨拶いただきました。
 平戸や松浦家、歴史や風物、お流儀に対しての真情あふれる皆様のお言葉に、お流儀にご縁をいただけましたことに喜びを感じたひと時でした。

 
 
献茶席
平戸支部松華会  永益 幹子
 本陣お成りの間においてご宗家様が観中煕公にお献茶を遊ばされました。
 上段の間はお殿様専用ですから、現在でも何びとたりとも足を踏み入れることはありません。
 今回もご宗家様と奥方様お二人が上段の間に、本陣ご当主の山下庄左衛門をはじめ門弟一同は下段の間に控えました。
 お庭の瀧の音がかすかに聞こえるのみの静けさの中、お供え役の山下様が上段の間に進まれ、奥方様のお介添えのもと無事にお茶をお供えになりました。
 観中公から六代目に当たらせられるご宗家様が、ゆかりのお部屋でお献茶遊ばしますお姿に、しみじみと平戸の歴史が偲ばれたひとときでした。
 
 
お茶席
平戸支部/松華会:橋 千東
 お茶席は、一階から見事な通し柱のある歴史を感じるもと蔵の二階で行いました。
 一階には待ち合い席を。階段を上がると灯りがともるお部屋に立礼卓と赤い毛氈のばんこが並ぶお席でした。
 昔使われていた一升の徳利につつじや竹などの季節の花が生けられ、花台には酒樽、お菓子も酒麹を使われた「吟ほのか」と造り酒屋ならではの趣向でもありました。
 お軸は、観中公が赤ちゃんの頃お母上様に抱かれていらっしゃる「蓮乘尊夫人御慈像」、お道具も観中公に因んだもので観中公御用のお茶碗や山下家所蔵の道安作のお茶杓でございました。
 今回はわたしがお点前を担当させていただきました。大切なものばかりでの席は初めてのお点前ではありませんが、今迄とは違う感じの雰囲気でしたので、ただただ緊張ばかりでした。
 三席のお点前が終わった時はほっとしたというのが本心でした。
 一服のお茶を美味しく召し上がって頂きたい思いを大事にしておりましたが、お味はいかがでございましたか。
 このような場所でお点前をさせていただき感謝致しております。
 そして、ご宗家様がよくおっしゃいます日頃のお稽古の大切さのお言葉が脳裏に浮かんだことでした。
 
 
点心席
平戸支部松華会 西澤温子
 点心席はもと蔵の中入ってすぐのところでした。
 ここは現在もちろん使われていていつもは杜氏の方、職員の方が忙しく動かれているところです。
 ぶ厚い立派な漆喰の扉が開かれてその中は貯蔵蔵、その奥には仕込み蔵となっており大きなタンクが何基も並んでいました。
 そんな扉の前の通路にテーブルを設え点心席としました。
 326年程経つ古い建物、高い天井、大きな太い梁や近くにある古い樽・大釜など眺めてゆっくり過ごしていただこうと思いました。
 お弁当は平戸エビス亭にお願いし、山下酒造の甘酒をご用意しました。
 皆様ノンアルコールでもありおいしいとおかわりを召し上がられていました。
 あいにくのお天気で、出入口近くでしたのでちょっと肌寒いことが案じられました。