茶筅供養 | |
平戸支部 松華会 森 三佐子 |
「平成最後の茶筅供養を行います」という臨済宗俊林山雄香寺前門様のお言葉から、今年の茶筅供養の読経が始まりました。前日よりの冷え込みは殊の外厳しく、静かな境内に時折、風花も舞う師走8日でした。淡い色合いのお花、お菓子(蔦屋:上用饅頭)、特産の果物などをお供えいたしました。ご宗家様のお出ましのもと、平戸支部松華会永益幹子会長以下4名と、佐世保支部松清会松浦純二会長以下3名が参集いたしました。 |
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各支部、長崎国際大学、長崎短期大学、高校茶道部からよせられた250本余りの茶筅、柄杓が朱塗りの丸盆に盛られました。本堂におきまして前門様の読経に一同の唱和が続き、焼香いたしました。前門様より、第29代天祥公様のご遺徳、雄香寺開山の盤珪国師とのご交遊についての、興味深いお話がございました。菩提樹の下に作られた青竹組の炉で、茶筅に火がつけられますと、形の崩れるまで読経が続き、恙なく、茶筅供養を終えることができました。 | ||
毎年、働きを終えてただそこにある茶筅の姿、炎の中で燃え尽きる姿に、あるべき姿を教えられる気がいたします。稽古や修業、仕事で大切に使った「もの」を供養し、成してきた「こと」を省み、縁を結んだ「ひと」を偲ぶ「供養」は、日本人の繊細な心のあり様の一つではないでしょうか。 心うまし(美し)国に生まれた幸いを思う一日でした。 |
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終了後、お下がりのお茶とお菓子をいただきながらのお話は尽きず昏黒となり、今年一年を労い、来年の弥栄を願いながら帰路につきました。 |