按針忌
平戸支部 松華会 大浦志保
     
 朝から気持ちよく晴れて、ほどよい風が吹いた5月28日、平戸崎方公園にて『第27回按針忌』がございました。コロナの影響を受け、一昨年、昨年と“HIRAの会”や関係者の方だけで開催されておりましたが、今年は、御宗家様、奥方様のお成りもかないました。まだまだ収束を見通せないコロナではございますが、多少なりとも制限が緩和され、「最初の行事が平戸であることを喜ばしく思います。」との奥方様のお言葉が有り難く印象的でございました。
 ウィリアム・アダムスが豊後臼杵に漂着したことをご縁に、『按針忌』には臼杵市より“臼杵の水”をお持ちいただいております。また、三浦按針没後402年を数え、“HIRAの会”会長、“ウィリアム・アダムス・クラブ”副会長、平戸市長、そして、オランダ国総領事、元メドウェイ市市長、大英図書館主任学芸員からの献辞献花があり、今なおイギリスの方々、オランダの方々との交流篤き平戸の歴史にあらためて心動かされました。一人ひとり“ウィリアム・アダムス”の銘をもつ赤いバラの献花をいたしました。人々や国々、時代を越えてつながる現在平戸の地にあって、“臼杵の水”で献茶をなさる御宗家様のお姿を間近にしながら、深く感じ入った次第でございます。
 私は『按針忌』に初めて参加いたしましたが、“HIRAの会”の皆様の手をお借りして準備をさせていただく中で、すべては自分自身の常々のお稽古からつながっている、と実感することができました。御宗家様の「稽古は真の心で」のお言葉を、もう一度胸に刻んだ一日でございました。