按針忌
平戸支部松華会 森 三佐子
         
 雲一つない青空の5月25日(土)、「第29回按針忌」がございました。昨年に引き続き、多くの来賓並びに市民の方々が参列されました。オープニングの東京二期会の星野恵利さんの歌声は、風に乗って松浦史料博物館へも届いたそうでございます。英国及びオランダ国歌の演奏、黙祷、主催者「HIRAの会」会長挨拶、平戸市長、駐日オランダ臨時代理大使、ウィリアム・アダムス・クラブ・チェアマンの献辞と進行いたしました。英国総領事、元メドウェイ市市長、大英図書館からの献辞は県立猶興館高校の生徒の代読でございました。
 その後、御宗家様が御献茶をあそばしました。尺八の音に乗せて、按針の手紙がウィリアム・アダムスクラブ会員により朗読されました。臼杵に漂着後、徳川家康に重用され三浦按針となったウィリアム・アダムスの望郷の念や妻子への思いのこもった内容でございます。今年も、「デ・リーフデ号」(ウィリアム・アダムス乗船)が漂着した臼杵市から運ばれた湧水が、釜に注がれました。
 英国人慰霊碑への献花の後、御宗家様、奥方様、参加一同による赤い薔薇の献花で、恙無く閉式となりました。場所を移して、オランダ公園でオランダ人慰霊碑への献花式もございました。会場の三浦按針墓所近くの「ANJINローズガーデン」(三浦按針没後400年記念として2020年に整備)にも、多種多様の薔薇が咲いておりました。
 民間団体である「HIRAの会」が繋いで来られた「按針忌」、歴史も文化も記憶も繋ぐ人あってこそ遺るという思いを強く感じた一日でございました。