九州文化学園中学校 茶道 観月茶会
九州文化学園小学校・中学校 酒本 昌子
 学校法人九州文化学園小中学校は、開校して5年目になります。毎年、中学3年生は、3年間のお稽古の集大成として、「観月の茶会」を開いています。今年度は、11月30日(木)、茶道鎮信流の作法やおもてなしの心を3年間学んできた「わらべの閒」で、保護者の方々をお招きし、感謝の気持ちを込めて、お点前を致しました。
生徒たちは、皆で心を込めた「観月の茶会」にするために、9月から準備をしてきました。保護者への手作りの招待状、亭主、半東、接待など一つ一つの細かい所作に思いと美しさを求めながら練習に励みました。
 鎮信流の家紋入りの幕と季節の花で彩られたステージ、客席から見える美しい風景、野点をイメージしたお茶室。保護者の方々には、生徒自身が手作りしたお茶碗でお茶とお菓子を召し上がっていただきました。普段お稽古をしているお茶室と違う雰囲気に、生徒たちは大変緊張しながらも、一人一人が役割を果たすことができ、大きな達成感を得ることができました。保護者の方々も、我が子の成長に大変感動されていました。生徒にとって、これまでお稽古してきたことを実践できたことは、大きな自信となりました。生徒たちは、お稽古を重ねる中で自分たちが伝統を受け継ぐ一番若い世代だという自覚や責任が芽生え、継承の大切さを実感いたしました。

挨拶の様子

点前の様子

お運びの様子
生徒の感想を一部紹介いたします。                    
武家茶道鎮信流を学び、「準備をする」「物を運ぶ」「お茶を飲む」「片付ける」などの些細な日常的な行動が、茶道を通して、丁寧で美しい所作になり、体に染みこみました。時間を忘れ、ゆっくりとしたその場の雰囲気に浸ることが茶道の魅力だと思います。このような所作と3年間の思い出を大切にしていきたいと思います。
2年前は礼法しかできませんでしたが、今ではお茶を点てられるようになりました。3年間学んだ作法は、無駄なことは何一つなく、自分自身を成長させてくれました。また、茶道を通して、集中力を身に付けることができました。今回、観月の茶会で亭主としてお点前をすることができ、とても良い経験になりました。
3年間、禅語からたくさんの教訓をいただきました。物事をポジティブに考えるようになりました。これからも、作法の美しさに上限を設けず、磨き続けていきたいと思います。
茶道の作法には、一つ一つ意味があることを知り、興味を持ち始めました。気づけば、いつの間にかもっと知りたい、自分もできるようになりたいという気持ちに変わっていきました。この3年間茶道という伝統文化を学ぶことができて嬉しかったです。