2015年7月19日
三友の風
長崎支部 松和会 魚住 由里子
       
聖福寺保存会は四季釜でお寺にご奉仕しています。
保存会の役員会のおり、表千家、裏千家、鎮信流に昭和21年戌歳生まれ、今年古希を迎える三人がいることがわかり今まで会釈程度の御付合いでしたが、この偶然を大切にして茶会をする流れになりました。
保存会は来年、結成50年になります。
この間、三派が一緒になって茶席を作って茶会をすることは前代未聞の事です。
お互いにお顔と名前だけ知っているくらいの三人が、まして初めての事にとまどいながら時間をさいて何度か道具あわせ等いたしました。
平成27年7月19日(日)梅雨の晴れ間、聖福寺大書院にて続薄茶で5席120名お出かけ頂きました。
お床は、私たち三人のつながりに因み、高泉(黄檗宗本山万福寺5世)の団扇画、黄檗の三筆の一人即非の賛で「清風生地披」を掛けました。 持ち寄りの三派の道具で、亭主、半東、席主を交代で務めこちらもお客様も自分の流儀でちぐはぐも一興と和気あいあいとしたお席になりました。

   
お客様の大半が鎮信流に興味をお持ちでしたので、5席中3席を鎮信流の私が亭主をいたしました。お点前はもちろん服紗さばき、矢筈の菓子箸も珍しく思われたようでした。
濃茶は「星の初鷹」、薄茶は表千家お好み「珠の白」、主菓子は三人で考えて作ってもらい銘も三人でつけた「三友の風」」で一服さしあげました。八女の濃茶も千家の方々には新鮮だったようです。

保存会会長はじめ多くの方から「いいことをしましたね」のお声をかけて頂き私たちも頑張ってよかったとおもいました。
清風は修行してこそ感じられると即非は書かれました。若輩の三人にはまだまだその様な風を感じることはできません。
それぞれのお流儀に誇りを持ち主張ももある三人です。
しかし、今日のお席には主客ともに作り出したさわやかな「三友の風」が確かにしっかり吹いていました。