2015年11月14日
パグウォッシュ会議世界大会レセプション会場にて呈茶
長崎支部 松和会 藤岡 瑞枝
           
第61回パグウォッシュ会議世界大会は「被爆70年核なき世界、戦争の廃絶、人間性の回復を目指して」というメインテーマで11月1日から5日まで被爆地長崎で開催されました。世界35か国から約200人の科学者、政府関係者が集い科学的議論が交わされました。その間の11月3日にレセプション会場(グラバー園)に於いての呈茶の依頼がありました。松和会といたしましては、是非お引き受けしたいと思っておりましたところ松洽会の行事として取り上げていただくことになりました。この会議に掛かる費用は全て募金で賄われることとなっておりましたので、松洽会にもご協力していただきました。有難うございました。
 
 さて、お席の方ですが夜の野外での呈茶席をどのようにしつらえたら良いのかと悩んでおりましたところご宗家様より、軸もかけられるように工夫して立礼棚を置きお点前もしたらどうかとご指導をいただきました。
 平戸支部より拝借いたしました幕を張りその前に金屏風を広げて床に見立てお軸をかけ花も置き立派な床が出来上がりました。お軸は「仁」の一文字で「他を思いやり、いつくしむ心」の意味は平和を考える集いの場にふさわしい掛物ではなかったでしょうか。
当日は会場全体がイルミネーションで彩られスポットライトの光が屏風を照らし、それは美しい幽玄の世界の中で呈茶が始まりました。ワイン片手にお抹茶を飲まれる方、干菓子の美しさに興味を持たれた方などさまざまでした。また、着物はとても優雅とカメラに納める方も多くおられました。
 
 この日は世界一大きな客船が入港中で午後8時の出港の時はお客様も私どもも一緒に見送りまして感動の一瞬でございました。
 外国の方に「和敬静寂」の精神がどこまで伝えられるかというご宗家様のお気持ちは充分に伝わったと思っております。松和会にとりましてこのような貴重な体験は初めてのことで戸惑うことも多々ありましたが、会員一同力を合わせ無事に終了いたしました。
 ご宗家様には大変お忙しいなか、長崎までお運び頂きご指導くださいまして有難うございました。厚くお礼申し上げます。また、松浦松洽会会長、佐世保支部の山下(ユルン)様にもご参加頂き場を盛り上げてくださり有難うございました。