聖福寺四季釜春の席
長崎支部 佐々木敦子
 令和4年4月17日(日) 爽やかな青空が広がる春の日に長崎歴史文化博物館にて春の席を担当いたしました。聖福寺は江戸時代前期の1677年に創建された黄檗宗の寺院です。2014年(平成26年)に敷地内の大雄宝殿、天王殿、鐘楼、山門の4棟が国の重要文化財に指定され、2021年(令和3年)3月にこの4棟を一括修復するという大掛かりな工事が始まりました。完成までに10年を要するとのことです。聖福寺での保存会の活動は2019年(令和元年)12月の物故者追善法要と茶筅供養、茶会が最後となっていました。コロナ禍の中で丸2年、活動は出来ませんでしたがとにかく一度やってみましょうということになり準備をすすめてきました。
 本席のお軸は観中公の御筆による「慎於言」。お花は桔梗口に黒蝋梅と芍薬を入れました。莨盆の代わりに人形台に三川内焼の達磨と唐子の人形をのせてお正客様の前に飾ってみました。お客様はたいそう珍しがって喜んで下さいました。茶席では皆様にマスクをしていただき席主もなるべく喋らないようにと心がけていたようですが、そういうわけにはいかず、お正客様との話もはずみ、時折笑い声が漏れ聞こえてまいりました。1席16名の薄茶席7席、118名の方が足を運んで下さいました。聖福寺の和尚様もお出かけ下さり、本席のお軸は今日の茶会にぴったりですとお声をかけて頂きました。長崎国際大学からも先生方、学生の皆さん13名も参加して下さりとても有難いことでした。「楽しいお席でした」と笑顔で帰られるお客様を清々しい気持ちでお見送り致しました。