令和6年度 松洽会総会 懇親会
長崎支部 宮前周司
<総会>

 令和6年5月11日(土)午後5時より長崎市尾上町のホテルニュー長崎にて令和6年度松洽会総会が開催されました。会の冒頭には遠路ご来崎いただいたご宗家様、松洽会の浜谷会長からご挨拶を賜り、続いて今回の総会開催を担当させていただいた長崎支部の藤岡支部長が「今回、ご宗家様が、原爆犠牲者への慰霊献茶をされる予定ですが、折しも長崎市で、平和に関する活動などを目指す若者による国際会議が始まっており、大変意義深い総会となりました」と歓迎の言葉を述べました。この後、松洽会の渡邊事務局長の進行により、令和5年度の活動報告、同決算報告、令和6年度の活動案、同予算案などの説明がありました。この中で今年度は11月に「鄭成功生誕400年を記念した献茶」を台湾にて行なうとのお話があり、ご宗家様からも「是非、ご参加を」とのお言葉がありました。皆さまのご協力もあり議事は滞りなく終了、続いて懇親会に移りました。

<懇親会>

 懇親会は、総会と同じホテルニュー長崎内の中華料理「桃林」を会場に午後6時から行なわれました。参加者にくじを引いていただき配席をしたため、日頃、お話しする機会の少ない異なる支部の方々が同じテーブルを囲むケースが多くなりましたが、宴が進むにつれ、ご流儀のこと、お稽古のこと、長崎の印象についてなど、会話が次第に熱を帯び、同じ鎮信流を学ぶ者同士として交流を深めました。最後には、支部毎に記念写真を撮影し、明日のお献茶式に備えてお披きとなりました。  


     
献茶式
長崎支部 藤岡瑞枝
令和6年5月12日(日)諏訪神社にて献茶式を執り行いました。
担当支部と致しましてどのように皆様をお迎えしようかと考えておりましたところ、ふっと思いついたのが今回のお献茶式でした。以前より御宗家様が原爆により犠牲になられた方々への鎮魂の献茶をお考えであるという事を伺っておりましたので、これは長崎でしか出来ない事だと思いご相談致しましたところ「やりましょう」との一言いただき、実施の運びとなりました。来賓の方々もお呼びして心ばかりではありますが寄付も致しましょうとのことでございました。御宗家様には茶道の心は平和に通じる考えであると話されております。今世界各地で起こっております紛争が一日も早く終結して平和な日が訪れますことを祈念してのお献茶式となりました。
5月12日(日)はあいにくのお天気でしたが門人一同が諏訪神社に集合、10時より太鼓の音で神事が始まり、いよいよ献茶式となりました。
笛の音と共にお点前が始まり、厳粛な雰囲気の中一同頭を垂れ御宗家様のお気持ちに寄り添い平和を祈念致しました。その後、収様と浜谷松洽会長の玉串奉奠で神事も恙なく終了し、このような機会をお与え頂きましたことを有り難く感謝申しあげました。
終了後、御宗家様より長崎市長へ目録贈呈、長崎市長より御宗家様への感謝状が渡されまして一連の行事を無事済ませることができました。
その後、来賓の方々との記念撮影を終え、点心席花月へと移動しました。  
     
5月15日付け長崎新聞より


     
点心席花月にて
長崎支部 中村 好
 お献茶式の後、止まない雨の中を丸山・花月に移動して頂きました。
花月の建物は江戸時代から現存しているため段差が多いこと、階段が急であることなどでお気遣いいただくことになりました。点心席への移動の前に坂本龍馬による刀傷が残る柱のある「龍の間」から雨に濡れて鮮やかさを増した新緑のお庭をご覧いただけましたこと、江戸末期お越しになられた松浦静山公が花月にてお描きになられましたお軸が展示されており、皆様にご覧頂けましたことは幸いでございました。点心席の藤の間に平戸からお借りしましたお軸を掛けさしていただきました。平戸藩邸から眺めた長崎港の様子が描かれたお軸です。点心は女将の「おひれをどうぞ」の挨拶で始まる「卓袱料理」を楽しんでいただきました。長崎ではお祝い事などで目にすることの多い鯨、ハトシ、角煮などが出され、「梅椀」というお汁粉が〆となります。その後、一服のお茶と薯蕷桃饅頭(長崎では吉事には桃)をお出ししました。「卓袱料理」は初めてという方が多くとても美味しかったと喜んでいただけました。長崎検番の芸妓さんたちの「送り三味線」にて皆様を無事お見送り致しました。