第10回 平戸大心茶会
佐世保支部 松清会 浦川礼子  
 野山には尾花、藤袴、葛,萩など秋の七草が咲き日中は暑いものの朝夕はすっかり秋の気配でございます。令和6年10月13日秋晴れの中、4年振りの大心茶会が開催されました。
 濃茶席は御宗家様お席主のもと九皐斎で開催され、平戸・佐世保合同チームで担当、私は水屋責任者という大役を頂き身の引き締まる思いでございました。猛威を振るったコロナ感染症以前は一碗に人数分練って回し飲みする濃茶から、今は一人分ずつ練る各服点てになっております。

 正客、次客様分を点前が練り三客様からは陰点てでお出しすることになりました。濃茶各服点ての水屋は初めての経験であり、大変心配でございましたが、何度もお稽古をして水屋で練るタイミングをはかりました。

 前日12日には、準備のため薄茶担当の長崎国際大学の先生方、学生さんと合同で九皐斎へ集合しました。御宗家様、奥方様にご挨拶を致し、早速準備に取り掛かり午前中までに掃除を終え、昼食は御宗家様、奥方様を交え全員で和気あいあいとお弁当を頂き、午後からは各席の設営、運びの動線を工夫し準備が完了しました。    
 
 茶会当日のお床には、鄭成功筆の一軸と陽と陰を表現した紅葉と白小菊が尊式一対の花入れに入っておりました。お菓子は蔦屋製『木の葉餅』、この時節ならではのお菓子でございます。点前に合わせて次々と練り上げ、点前、運び、水屋の三役の心が一つで連携出来ました事は良かったと思っております。あれこれ余計な心配などせず各人がその場その場を真剣に取り組む事が大事だったと思い「別無工夫」の言葉をしみじみ感じました。不行き届きのことが多々ありましたが次の課題として精進してまいります。
 ご指導頂きました御宗家様、奥方様、このような機会をお与え下さり有難うございました。感謝申し上げます。