灯 籠 茶 会
 
東京支部/松親会(白河)島村ふじ子
 いくつの灯籠に火が点されただろうか。夕闇の翠楽苑の池にゆらりゆらりと浮かぶ灯籠の明かりは何ともいえない風情があり幻想的で郷愁さえ覚える。昨年は東日本大震災により実施することが出来なかった灯籠茶会が、八月四日?五日の二日間、白河茶道連盟主催で南湖公園「翠楽苑」にて開催された。夏の暑い夜のひとときに涼を求め、一服のお茶をいただきながら灯籠を浮かべ先人を忍ぼうと始まったこの茶会も年を重ねて今年で十六回を迎えた。今年の灯籠茶会は、大震災で命を落された方々のご冥福をお祈りする供養も併せて開催され特別の茶会となった。
 白河茶道連盟は、今年六十周年を迎えた。茶道連盟の礎になった鎮信流が当番として灯籠茶会の席持ちができたのも何かの縁かと感じていたところ、松親会の皆様十一名にお越しいただけたこと心強く、皆様の心配りに感じ入ること一入、うれしい限りであった。
 私自身、「伝えられてゆく」ことを大切にこれからも茶道を受けとめつづけていきたいと思う。
 公園内の蓮の花も咲き揃い、夏の風物詩となったこの茶会が終ると、白河は月遅れの年に一度の大事なお客様(仏様)を迎えるお盆の準備にとりかかる。震災、天災、人災から救われ平和な幸せな日々が送れますことを心から祈りながら。