鎮信公お祭茶
松親会 長島輝武
  利休は柚子の実が色づくころ炉を開くと言ったそうですが、鎮信流は流祖鎮信公の忌日にその年の新茶を献じて、炉を開きます。お祭茶は新茶を詰めた茶壺を開け、茶臼で挽いて鎮信公へお茶を献ずる大事な行事であります。
従来お祭茶を開催してきた赤坂ふくでんが改修中のため、今年のお祭茶は新宿柿傳で11月8日に開催されました。そのため今回は、茶壺の口切り、臼で挽く行事は行われず、柿傳9Fの残月亭で鎮信公への献茶が行われました。収様がシンガポール駐在のため、献茶はご宗家様が行い、私が茶堂、中村さんが半東を務めさせていただきました。
 茶壺の扱いがないとはいえ、厳粛な雰囲気で緊張するなか、ご宗家様の点てられた御茶を、鎮信公へ献上させていただきました。

式終了後、6階に会場を移し、出席の皆様と会食、会食後今年の新茶を一幸庵の霰もちとともに美味しくいただきました。

厳粛な献茶式に武家茶鎮信流のすばらしさを感じた一日でした。