第32回 柳営茶会にて
松親会 堀川 郁代
 平成30年6月2日(土)、文京区音羽の護国寺にて第32回柳営茶会が開かれました。
梅雨入り間近の心配をよそに、初夏を思わせる気持ちの良いお天気に恵まれました。

 武家茶道四流派によるお席の中、鎮信流は、ご宗家様が「牡丹の間」にてお濃茶のお席をお持ちになりました。
 今年は明治維新150年にあたる年でもあることから、待合や本席には明治天皇ゆかりの品々が設えられました。
 又、本席の床にはその時代の当主心月公が10代の頃に書かれたお軸、そして花入れにはお花と共に「かぐや姫」という名の竹が生けられました。力強いお軸とその名の通り繊細な竹の設えは、鎮信流の「柔弱を嫌い、強く美しきをよしとす」との教えが伝わってくるようでした。

 私は午後に、お点前、半東、お運びをさせていただきました。
お席にお入りいただいたお客様に対しての一期一会を思い、感謝の気持ちを込めてお点前いたしました。
 それぞれのお役目を通して、お客様を大切にお迎えするには、常に心にゆとりを持つことが大事であり、またそれは日々のお稽古の積み重ね、そして多くの経験を経て初めて得ることができるものだという事を学んだように思います。それは日常でも同じ事が言え、茶道を学ぶことは、日頃の心の持ち方を学ぶことでもあると思いました。

 お茶会は、日頃のお稽古とは違った学びや気づきが沢山あります。
 このような貴重な経験をする機会をいただいた事、そして鎮信流と出会い学んでいける事に改めて感謝の思いが募った、私にとりまして忘れがたいお茶会となりました。

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