根津美術館「青山茶会」を終えて
松親会 土井 裕子

 晴天に恵まれた三月九日、根津美術館「弘仁亭」において青山茶会が行われました。この茶会は、根津美術館の依頼によるもので、会員の方々を主なお客様として、鎮信流のみの茶席でした。  

 床には「平戸眞景」の掛軸と染付尊式一対の花入れに季節の白い桃の花が生けられ凛とした雰囲気が醸し出され、脇床には大名家ゆかりの品々が飾られる設えでした。 お菓子は百菓之図より「花曇」が用意され、炉の台子にて一服差し上げました。
 今回は美術館の都合で一席の時間が限られておりましたが、御宗家様、御奥方様のご指導により、又、水屋の方々の無駄のない動きで滞りなく終えることができました。 茶席では、御宗家様の貴重なお話と丁寧なご説明にお客様は引き込まれた様子で、退席の折には、半東の私までもお礼の言葉を沢山頂戴致し、嬉しく思いました。
 退館の時間を気にしながら、皆で協力してお道具類を片付け、充実した貴重な経験をさせていただいたことに感謝しながら家路につきました。

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