お祭茶(口切)を終えて
松親会 吉留康司
11月17日、天台真盛宗の東京別院、真盛寺で口切と鎮信公お祭茶が、御宗家御夫妻、収様、および松親会門人が参加して催されました。
 
今回私は初めて、お祭茶口切での茶堂及び献茶での運びの役目を仰せつかりました。
茶堂を務めるにあたって10月に下馬の茶室で永井先生、土井支部長にご指導を頂きました。
茶堂としての心構え、壺の扱い方、口切りの進め方などきめ細かく教えていただきました。又、下馬には収様もお越し頂き御献茶での運びの稽古もすることが出来ました。

お祭茶当日は、清々しい秋晴れの穏やかな朝でした。奥方様から、茶壺の茶の入れ方、御茶入日記の扱い方のご指導をしていただきました。
 
口切りが始まり、御宗家様、奥方様、収様の入室とともに、私も茶堂として茶壺、御茶入日記を御宗家にお持ちし、今日、石臼で挽くお茶を選んでいただき、無事茶堂を務めることが出来ました。
  
続いて、挽きたての「星の初鷹」を一文字棗に入れ、三宝に置いて鎮信公の御像にお供え致し、一礼して退室しました。そして収様の御献茶での運び役で御宗家様までお茶をお運びし、水屋での役目もなんとかこなす事が出来ました。

その後、点心を頂き、お下りをいただいたのですが、挽きたてのお茶は香りがとてもよく口切りでしか味わえない一服だと思いました。
 
後片付けが始まり、私が自分の担当の茶壺、御献茶道具の仕舞をしていました時に、奥方様から声をかけていただき、今回私が茶堂を仰せつかったのは、これまでの稽古の積み重ねがこの役目に繋がっています。その事をしっかり受け止めて大事にしてください、と仰って頂きました。そして、これからの私の茶道との取り組み方について大事な方向を示して頂けました。
私はその言葉を胸に更なる高みを目指して精進しようと新たに思う事が出来ました。

今回、茶堂を務めるにあたり、御宗家様、奥方様、収様、松親会の諸先輩方々、同門の方のお力添えをいただきました事、感謝しております。